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鉄筋コンクリート住宅のつくり方

鉄筋コンクリート造の住宅が、社員の手によってどのように建てられていくのか、少しだけ公開します。

住宅の”構造”の種類

住宅の構造には大きく分けて3つあります。木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造。

【木造】

“木造”建築とは、主要な骨組みを木材で作る構造の事で、日本国内の戸建て住宅の約6割を占めているそうです。昭和53年には約8割を占めていたものの、時代の変化で“非木造”の需要が増えてきているようですが、昨今では国立競技場などの鉄骨と木のハイブリッド構造も注目されています。

【鉄骨造】

“非木造“の一つである“鉄骨造”建築とは、建物の骨組みを鉄で造られた柱や梁で造る構造の事で、住宅だけでなく、高層建築や橋などの大型建築物もこの構造を用いる事が多いです。

【鉄筋コンクリート造】

“鉄筋コンクリート造“建築とは、建物の柱・梁・壁を、鉄筋を中に入れたコンクリートで造る構造の事です。鉄骨造と同じで、高層建築や大型建築物もこの構造で造られます。

コンクリート打設~型枠が外されるまで

①配筋検査

“木造”や”鉄骨造”は木や鉄骨そのものが、建物の骨組みになります。
”鉄筋コンクリート造”はその名の通り、鉄筋とコンクリートが合わさって骨組みになります。しかし、ただ鉄筋が入っているコンクリートであれば良いと言うわけではありません。
構造設計さんに指定された太さ・ピッチ配置の通りに鉄筋を組み、その周りに型枠を建ててコンクリートを流し込みます。
構造設計さんの設計通りに鉄筋が組まれているか、監理者による配筋検査も重要なステップの一つです。

②事前の打設計画

コンクリート打設は時間との勝負。ミキサー車によるコンクリート搬入・流す・叩く・均す。
次のミキサー車コンクリート搬入・・・計算したコンクリートの量を全て流し終わるまで、同じ作業を繰り返します。
もたもたしていると固まり始めてキレイに打てなくなりますので、事前の緻密な計画が重要になります。
当然、関係者には事前に段取りが伝えられていますが、当日の朝礼で現場監督や職長さんから、流れや注意点を再度確認します。

③コンクリートの潰し試験

ミキサー車で運ばれてきたコンクリートが、設計図通りの硬さ・水分量になっているか、専用の器具で検査します。これを間違えていると打設はできません。

④いざ、打設!

打設の時は、他の現場の社員もかなり動員され、打設の手伝いをします。
実際にはどんなことをしているのでしょう。

監督の号令の下、職人さんが鉄筋の間と型枠の間へコンクリートを流し込みます。
流し込んだコンクリートを均一に充填するために、竹の棒などで入念に突いたり、バイブレーターで振動を送りながら、空気や水を追い出します。

動員された社員たちは、木槌で型枠を「トントントントン」と叩き、空気や水を外へ出します。
結構これが重要です。ただやみくもに叩けばよいと言うことでもないようで、弊社の相談役が言うには、「女性くらいの力が丁度よい」らしいです。

⑤トンボや金コテで均す

打設中にトンボや金コテで均し、打設完了。
養生期間は季節や温度によって変わってきますが、柱だと大体3日~8日程、床だと大体3~4週間おいて、型枠を外します。
これを最上階まで続けて、鉄筋コンクリートの建物の躯体(骨組み)が完成します。
コンクリート打設は一発勝負ですからね、打設前は入念な段取りと打ち合わせが必須ですね。

天候に左右されやすい建設業。真夏の太陽が照り付けるような天気の時は、肝心のコンクリートが硬くなったり、長時間の打設作業が熱中症を引き起こしたりと大変ですが、キレイな打設は監督もお客様も職人さんも皆がうれしい。キレイは当たり前には作れません。

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総務部 N総務部 N
2003年に総務部として中途入社。洗練された物を見る事が好きで、学生時代には少しだけインテリアの勉強をした。手を動かす事、結果を早く見たいが、意外とこつこつやる事が好き。犬を歴代3匹飼ってきた。初代は雑種、2代目・3代目はミニチュアダックスフント。

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