ベテラン社員インタビュー(横山さん)(前編)

横山善隆は、今から38年前に大同工業株式会社に入社した。
長年にわたり、建築部で新築工事や小規模リフォーム工事に携わり2021年からは、
現在の営繕部へと異動。
本格的にリフォーム工事を担当するようになり、
新築とは異なる新たなやりがいを感じ始める。
その横山にとって、忘れられない印象深い現場とは……。

伊東本社営繕部 主任
横山 善隆(よこやま よしたか)さん
最も印象に残る、高難易度の物件
リフォームは新築のようにゼロから作り上げるわけではない分、
さまざまな制約をクリアしながら工事を進めていかなければならない。
2022年、傾斜地にある住宅をスケルトンまで解体して
リノベーションするという工事を担当した横山。
新築一戸建てを建てるのと変わらないほどの工事費をかけた、大規模リフォームだった。
この住宅が強く印象に残っている理由は、
リフォームならではの「制約」の難易度が桁違いだったからだ。
まず、傾斜地に建てられているため、平地での工事とは異なり
家の中へ入る方法が玄関からのみ。
さらに各部屋はスキップフロアになっていて段差が多く、
職人とスペースをやりくりするのには頭を悩ませた。
しかも当時はコロナ禍。体調を崩して休む職人も多く、進捗はずれ込んでいった。

コンテストでも認められた仕上がり
それでも横山は、設計士と共に最高の家づくりを目指した。
収まりを良くするためにCADやフリーハンドでイラストを描き、
どのように進めていくべきかを図解。
イメージを共有し、協議を重ねながら一歩ずつ前へ進んでいった。
設計士には、斬新なアイデアで驚かされたこともある。
解体によって柱に残った穴を埋めず、そのまま再利用するというものだ。
「私はせっかくならきれいに均した方がいいと思っていたのですが、
でき上がってみると味がある仕上がりになっていて感心しましたね」。
その後、静岡県内でのリフォームコンテストに今回の物件を応募。
48件の中からリフォーム賞と優秀賞に選ばれた。
収まりがきれいだという審査員の評価を聞き、
横山自身、知恵を絞って工夫した甲斐があったと嬉しくなった。
記憶に鮮明に残るほど苦労し、そして最も達成感のあった現場だ。

忘れられない経験から、リフォームの醍醐味を教わった。
横山は仕事に対するプライドを胸に、挑戦を続けていく。
(後編に続く)