地鎮祭とは ~当日の流れや豆知識など~
2011年に入社して以来、地鎮祭の準備を幾度となくしてきました。神主さんの手配、お神酒やお供物の準備。今回初めて参列する機会を頂き、実際の地鎮祭がどのように行われていたのか、感想を交えて部分的にリポートさせて頂きます。
地鎮祭とは、工事の安全と無事の完成をお祈りする儀式
土木工事や建築工事を始める前に、その土地の氏神様から土地を利用させてもらう事の許しを得るためのご挨拶と、工事中の安全と無事の完成をお祈りする儀式です。
一般的には「じちんさい」と読まれていますが、「とこしずめのまつり」という読み方もされます。
必ず行わなければならない訳ではありませんが、行う方が多いです。
地鎮祭は、実際に建てる土地まで神主さんに来てもらい、神式で行う事が一般的です。
また、六曜の吉日である「大安、友引、先勝」の午前中に行うのが良いとされていて、「仏滅、先負、赤口、三隣亡」は避けた方が良いとされている日です。
現地到着後の準備
今回はお施主様にご縁のある、鵠沼伏見稲荷神社に地鎮祭の執り行いをお願いしました。
始まる30分ほど前に神主さん、弊社の社員は現地に到着し、準備を始めました。
準備は全て神主さんがして下さると思っていましたが、会社側でも色々とやる事がありました。
土地の四隅に竹を立て、その間をしめ縄で囲い、祭壇を設置後、お神酒やお供物を並べました。
そして後に大きな役割を果たしてくれる「砂山」を作成しました。
式典の流れ
準備が出来たらいよいよ地鎮祭の始まり。祭壇に向かって右側がお施主様、左側が設計事務所と施工会社。各々が揃ったところで開式となります。
1.修祓(しゅばつ)
参列者とお供え物を清める為のお祓いで、神主さんがお祓いをしている時、
参列者は頭を少し下げる。
2.降神の儀(こうしんのぎ)
神様を祭壇にお迎えする儀。お迎えしている間、参列者は頭を少し下げる。
3.献饌の儀(けんせんのぎ)
神様にお供え物をお召あがり頂くため、お神酒と水の蓋を取る。
4.祝詞奏上(のりとそうじょう)
土地をお借りして家を建てる事を神様に奉告する儀式。
神主さんが祝詞を読み上げる間、参列者は頭を少し下げる。
5.四方祓いの儀(しほうはらいのぎ)
神主さんが土地の四隅をお神酒・米・塩・白紙で清める。
6.地鎮の儀(じちんのぎ)
祭壇の横に持った砂山で行う儀式。
7.玉串拝礼(たまぐしはいれい)
お施主様、お施主様の件傾斜、施工会社の順に祭壇の前に立ち、玉串を供える。
8.撤饌(てっせん)
神主さんがお供え物を下げ、献饌の逆の動作をする
9.昇神の儀(しょうじんのぎ)
神様にお帰り頂く儀式。
10.直会(なおらい)
祭壇に上がっていたお神酒を頂く。
地鎮の儀(じちんのぎ)の豆知識
地鎮祭の儀式の中で、一番印象的だったのはこの「地鎮の儀(じちんのぎ)」。土地に見立てた砂山に、設計事務所様が鎌入れをし、続いてお施主様が鍬入れをし、最後に施工会社である大同工業が鋤入れをします。その名前と意味を調べました。
1.鎌・・・刈初の儀(かりぞめのぎ)
鎌を使っての儀式で、まず敷地の雑草を刈り取る意味。
2.鍬・・・穿初の儀(うがちぞめのぎ)
基礎工事をするために土を掘る意味。
3.鋤・・・鋤取の儀(すきとりのぎ)
鋤を使って掘り起こした土地をきれいにならす意味。
鎌、鍬、鋤入れをする時に「えい!えい!えい!」と3回掛け声を上げますが、これは天・地・人の神様それぞれにお願いをする意味合いがあるそうです。
家が繁栄するように!栄えるように!と願いを込めて「栄!栄!栄!」の文字を掛けているそうです。
鵠沼伏見稲荷神社 住所:神奈川県藤沢市鵠沼海岸5-11-17 TEL:0466-36-5803 URL:https://www.fushimiinari.com/
建築工事は、着工から完成までにいくつかの 神事「式」があります。
ほかの「式」についての記事もありますので、ご覧ください。
天候に恵まれ、太陽の日差しがジリジリと痛いほどでしたが、今回建築する土地は、高台で爽やかな風が抜ける良い場所でした。 厳かな雰囲気で粛々と進められていた地鎮祭でしたが、鎌入れ、鍬入れ、鋤入れの時の「えい!えい!え~い!!!」の掛け声があまりに大きく、真剣な眼差しで、その場にいた誰もが身の引き締まる思いを感じたと思います。