軒先が決まるとカッコイイ
1.1mも跳ねだす軒先が20m近くの幅で広がる…この見せ場をどう作るか
葛藤。設計図のまま作って大丈夫か…
当初建築家から受け取った図面は、軒先をシャープに見せる為に、垂木を斜めカットして構造べニアで軒先を形作るというもの。
「薄くシャープに見せたい!」
という建築家の気持ちは理解するものの、本当にこの構成で実際の現場が作れるか…? 施工者としてはちょっと心配なところ。
間違いなくこの建築の見せ場、こちらとしてもなんとしてもカッコよく決めたい!
まずは作ってみよう…が、波打つ(><)
現場で大工と相談しながら、
「まずは作ってみよう」
という事で、設計通りの納まりで軒先を施工してみるが… やはり決まらない。
横から見ると悲しげに波打っていました (><)
写真に撮ると分かりづらいが、7~8mm程度は下がってしまうところが出ています。
下からつっかえ棒を入れた状態でこの出来なので・・・つっかえ棒を外すともっと下がってしまいます。
下地がこの状態では、いくら屋根板金職人の腕が良くてもピシッとシャープな軒先には仕上がらない。
という、予見ができるのがDAIDOが培ってきた技術の力。
さて…どうするか?
監督の腕の見せ所!!
会社の先輩、大工、板金業者、金属加工業者など頼れる仲間に集まってもらって、対策の協議。
「あの現場ではこんな工夫をした」、「あれの真似をできないか」、「これだとちょっと重たくなりすぎる」
などなど、会社の会議コーナーで侃々諤々・・・
色々な意見を出してもらい方針を決めました。
現場は直ぐにでも屋根野地板を納めて、雨仕舞を進めたいので時間がありません。
方針を決め、設計者のチェックを受けて、直ぐに業者へ加工を手配。
下地が決まれば仕上げは大丈夫!
波打っていたべニアを一部金属プレートに置き換えて、ピシッとした軒先の下地が決まりました!
これで建築家が“意図”していた「薄くシャープな軒先」が実現できます。
細かなところですが、ちょっと知恵を加えるだけで建築が様変わりします。
当初頂いた図面通りに施工して、少し波打った屋根を見て、後になって「今更どうしようもないですね…」なんて言いたくない。
「ワクワクするようなカッコイイ建築を作りたい」DAIDOの監督のちょっとしたこだわりです。
建築家はお施主様の要望を聞きながら、その土地にどのような空間を作り上げるかを一生懸命考えています。 それを実際のモノとして創り上げるのが監督の仕事。 時には設計者が作成した図面通りでは、意図したモノにならない事があります。そんな時に重要なのが監督の 「知恵」です。 今回は軒先をいかにシャープにすっきりと創り上げるか、監督・職人が知恵を出し合いました!