リブとかルーバーって大変なんです…
よくリブとかルーバーなどが壁一面にキレイに等間隔で配置されているのを見かける事がありますよね。
でもあれって実は・・・
「めっちゃ大変なんです!!!」
というお話です。
図面に隠された難題・・・
こちらは建築家から頂いた設計図面です。
壁一面の「リブ!!!」
その中に建具がはまって、さらには階段まで絡んでいます。
ピッチの細かなリブで、しかも一本一本に細く見えるような“面取り”がなされています。
ダイナミックでありながらも繊細な空間になりそうです。
図面から1/1へ・・・
出来上がりがこれ ↓ です。
建具のリブと壁面のリブがぴったりと合い、建具周囲のすき間もキレイに通すことが出来ました。
出来上がりを見ると建築家が意図した設計図面通りのものに仕上がっていると思います。
が・・・!!!
ここに至るには人知れず苦労がありまして。
図面通りに作ろうとすると、リブ(出っ張り)が付いた扉なので、普通に丁番で開けようとすると
「出っ張り同士」が、
ぶつかって開かない・・・
ホント、数ミリの世界の話しなんですよ!!!
リブの間隔や扉と壁のすき間を調整してみました。
単純にリブの間隔を広くすると、繊細な空間イメージが壊れたり、すき間を広くするとカッコ悪かったり・・・
しかも今回の難題は階段まで絡んでいるので、階段の段板寸法の調整まで出てきたり(T_T)
何度何度もミリ単位の調整をしますが、
納得できません。
いろいろ悩んでいると、建具屋さんから丁番を変えてみたらという提案。
リブの高さ、間隔も設計者の意図を崩すことなく、すき間も出来るだけ少なくして何とか納まるものを作る事が出来ました!
完成したものが3枚目4枚目の写真です。
出来上がりだけ見ると、なんていう事のないモノかもしれません。
ほとんどの人がこの苦労には気づきません。
さらっと「キレイだね」って一言行ってもらえる。
そんなモノを作り上げられたとき、心の中でこっそりとガッツポーズしています。
まったくの自己満足の世界ですが、DAIDOの監督の楽しい瞬間です。