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2013年7月12日のテレビ朝日　渡辺篤史の建もの探訪で『もえぎ野の家』が放送されました。

渋谷から電車で30分程の、公園や学校の木々・街路のケヤキ並木が生い茂る緑豊かな場所に、この建物は計画された。28坪の敷地の中に、周囲の環境に溶け込むような佇まいを据えることを念頭に、ボリュームの配置を考えた。
まず、5.3m×5.3m、高さ3.0mのリビングダイニングのボリュームを中心に、3.5m×2.2m程の2層のボリュームを両サイドに配置し、平面的にも断面的にも雁行した構成とした。ひとつひとつの部屋の気積を感じながらも、それらをつなぐ接続詞(階段や廊下)をコンパクトにすることで連続感を与え、人の気配を何気なく感じるような距離感を意識した。
雁行するボリュームはまた、そこに居る人の視線を様々な奥行へと誘い込む効果を生んでいる。寝室の窓から外を見ると、リビングの大屋根越しに和室の窓を臨むことが出来る。リビングの掃き出し窓からは庇で上部を切り取られた庭の木々を介してキッチンの窓や寝室の窓が目に入ってくる。室内においても、浴室のフロストガラスを通して拡散した光がその周囲に満ちているのがうかがい知れる。重層的な視線を設定し、各々に焦点をあてることで、実際の寸法以上の奥行を感じる空間をつくることができた。

設計：服部信康建築設計事務所

http://www.daido-kogyo.co.jp/architect/works/index.html?d=245