トライ&エラー!新人女性監督の初しごと体験記
今年4月で入社2年目を迎えたYさん。大同工業にとっても数少ない若手女性監督ですが、すでに輪の中心に入り、仕事への熱意も申し分ない印象を受けました。もともと文系学部に在籍していた山崎さんですが、洋画に登場するプール付きの豪邸にあこがれたのをきっかけに、建築を学ぶため専門学校へ進学、その後大同工業への入社を決めたそうです。当初担当した『ピエール邸Ⅱ』についての体験談、仕事について大切にしている点などをくわしくお聞きしました。
いきなり現実となった夢の「プール付き豪邸」施工
Yさんは文学部時代アメリカに関するゼミに属し、洋画を見るのも大好きだったそうです。
日本では珍しい「プール付きの豪邸」は、Yさんにとって強いあこがれのイメージとなり、建築を目指す動機となりました。専門学校を経て入社した大同工業。
なんと1年目にして、念願の物件を担当することになるのです。葉山の崖上に位置し、相模湾と富士山を一望できる『ピエール邸Ⅱ』は、施工面積362㎡超の雄大な邸宅。エントランスホールに真っすぐ伸びる15mのプールをつなげて配置し、視線の抜けが効果的にデザインされています。まず当プロジェクトで苦労した点を聞いてみると、山口さんはこのように答えました。
「全部ですね!現場に身を置くこと自体が大変でした。1日に来る業者さんの数はすごかったですし、早寝早起きして体力的にもきつくて、毎日戦争状態でした」
とYさん。新人監督にとって自らコントロールできることはほとんどなく、ただ毎日を乗り越えることに必死だったそうです。
「夜も疲れ切って痩せるかと思ったんですけど、むしろマクドナルドばっかり行っていたら逆に太りました…(笑)」
と苦笑いするYさんからは、過酷な状況の中でも明るくお茶目な人柄が伝わるのでした。
「現場の和をつくる」という役割
なれない早起きや現場仕事、毎日くたくたになりながらも、先輩監督の下で自分の役割を模索していたYさん。多くの業者が出入りするせわしない状況でも、先輩監督の姿勢がとても印象的だったそうです。
「先輩は業者さんたちとのコミュニケーションの取り方がやっぱり上手で、その場の雰囲気作りなんかも臨機応変に対応してくれたおかげで、大勢の業者さんが集まっても上手くいったのかなと感じます。」
Yさんも、最初こそ職人に話しかけるタイミングさえ計りかねていたといいますが、だんだんとそれぞれの人柄や対応を把握し、コミュニケーションをとる間合いを覚えていったそうです。
「職人さんの名前もみんな覚えた方が良いよってアドバイスを受けてから、業者名じゃなく名前で呼ぶように心がけています。コミュニケーションをきちんととると繋がりができて、分かり合えていくと思うので」
こんな意見からも、現場でのコミュニケーションを大切にするYさんの姿勢が垣間見えます。元気でハツラツとした印象を受けるYさんは、明るい「元気印」として、現場でも欠かせない役割を担っていたのでしょう。
何でも聞く・学ぶ・実践する
『ピエール邸Ⅱ』では、現場の養生や清掃を心がけ、お施主様からも評価されたといいます。
「施主の奥様から『前回の現場に比べて補修も少ないのは、養生もしっかりやってくれたからかな』と言っていただけたんです。『監督さんが女性だったからきれいにしてくれてたのかな』とも。そこは嬉しかったですね」
実はYさん、サポートとして現場入りした雑工職人から、養生や掃除の基本、きれいな整理整頓の見せ方まで、あらゆる「コツ」を教えてもらったといいます。
さらに、差金が上手く使えずに試行錯誤していた折、熟練の大工から「わからないことはどんどん聞いて、自分の身にしていった方が良いよ」とアドバイスを受けます。
「『聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥』でしたかね。すごく納得して、すべてに通じる考えだなと思いました。今も大切にしているマインドです」
アドバイスをきちんと聞き学ぶ、そして実践するYさんの「素直さ」は、まさに彼女の強みだと感じました。
「楽しむ」を大切にしたい
入社2年目となり、プライベートでも結婚という大きな節目を迎えたYさん。次なる現場に奮闘しながら、施工管理者として着実に力を付けつつあります。仕事を進めるうえで大切にしていることをお聞きすると、次のように答えました。
「遅刻と寝坊は絶対しないようにしています。私がきちんと現場に行かなきゃ業者さんを困ってしまうので。あとは楽しむことですね。楽しむことで意欲を上げてポジティブにいきたいと考えています。」
「楽しむ」については、先輩から「楽しそうに仕事をしてる」といわれたことがきっかけだったそう。自身がモチベーションを保っていられるように、さらには現場の雰囲気を良くするために、大切なマインドだと気が付いたのでしょう。今後の目標については「これからは木造をきちんと学びたい」「施工図をしっかり描けるようになりたい」といった内容をキラキラとした笑顔で語ってくれました。今後は女性ならではの視点や気配りを活かし、会社にとっても貴重な人材になるだろうと期待してやみません。
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