ものづくり, 難題にワクワク

新工法に挑戦中!若手現場監督インタビュー(前編)

坂本 悠貴(さかもと ゆうき)
湘南支店 主任

2025年7月、坂本は現場監督として着実に経験を積み、
施工管理から予算管理、工程管理まで、現場の采配を一人で担う立場にあった。
そのような坂本に舞い込んだ案件は、大同工業としても新たな挑戦となる
「CLT工法」。
その試行錯誤の序章を追う。

O邸での大きな挑戦

大同工業が手掛ける物件は、規格に当てはめた既製品ではない。
建築家が考える空間を実現するために、部材同士の接合や細部の納まりといった
繊細な調整を一から検討しなければならない。

また、今回のプロジェクトの大きな特徴は、1階がRC造、2階が木造という造りにある。さらに2階にはCLT工法が採用された。
大阪・関西万博のシンボルである大屋根リングと同様のこの工法は、
板を層状に重ねた巨大パネルを面として組み上げるという、
木造建築の常識を根底から覆すものだ。
土台を組み、柱を立て、梁をかけてから壁を張るという従来の工程を一気に省略し、
壁と構造が一体となったパネルを一面ずつ立てていく。
坂本にとっては未知の領域だった。

巨大パネルを扱う緊張感

現場に運び込まれたのは、長さ10m、高さ3m、厚さ21㎝というという規格外のパネル。
限られた敷地内でこの巨大な資材をクレーンで操り、
複雑な手順で組み上げていく作業は困難を極める。
県内に対応できる工場がないため、地方の専門工場で加工製作したものをトレーラーで輸送し、
現場ではラフテレーンクレーンで吊り込む計画を練った。

組み立てに向けて全国から20名の大工を集結させるなど、
大がかりな事前調整に追われながら迎えた当日。
巨大なパネルが組み合わさり、邸宅の骨格が形成されていく光景を前に、
坂本は技術者としての確かな手応えを感じていた。
着工前から資料を紐解くなどして予習を重ね、それでも解消できなかった不明点は、
遠方から招いた専門の大工たちに質問する。
地道に不確定要素を潰していく作業こそが、
巨大な建築を安全に形にする唯一の道であることを、坂本は肌で知っていたのだ。

O邸の現場は、RC造の1階の上に巨大な木造パネルを据えるという、
構造上の大きな節目を迎える。
性質の異なる素材をいかに強固に、かつ正確に統合するか。
坂本は技術者としての誠実さをもちつつ、次の難題に向き合った。
(後編に続く)

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